国際マリンVHF・DSC(デジタルVHF)
海上での標準コミュニケーション手段であるVHF無線(日本でいうところの国際VHF、いわゆるプレジャーボート用のマリンVHFとは異なります)欧米はもとより、日本以外のほとんどの国では、プレジャーボート・漁船・本船・など船の種類の違いに係わらず、あらゆる船が搭載している、安全上とても 大事な標準通信手段です。
更に、近年は、新たなスタンダードとなりつつあるVHF/DSC 無線・小型船舶用簡易バージョンが、急速に普及しつつあり、欧米では、この新たなDSC機能を搭載していない無線機は販売されていません。(ポータブルを除く)
VHF無線の利用目的◇VHF無線システム最大の目的は、「安全確保」。一般の電話システムと異なり、同一の周波数を、たくさんの船が共用しますから、利用上のルールをしっかりと守らなければなりません(詳細はこのコースで説明)◇他の船の迷惑にならないこと。特に安全に関する無線交信をさまたげないという前提のもと、VHF無線は、欧米では以下のような目的で、日常的に使われています。(ここではカナダを例として説明)
VHF無線ライセンス
VHF無線システム、2種類のライセンス(免許)制度が制定されています。 一つは「無線局免許(Radio Station License)」、 そして操作資格である「無線操作従事者免許(Restricted Operator`s Certificate)」
◆VHF無線局免許(船舶局)近年、ライセンス無しでVHF無線機搭載を認める国が多くなり、欧米、特に北米ではプレジャーボートが、このライセンスを取得することはほとんど無くなっています。 カナダでも、約10年ほど前にライセンス取得義務が消滅しました。なんらかの理由で、コールサインが欲しいという人は、(コールサインを取得するには、ライセンス・有料が必要)、当該の役所に申請して、ライセンスを取得することになります。
◆操作免許( Restricted Operator’s Certificate)
無線制度に関する、国際標準組織 ITU(International Telecommunications Union 日本も加盟国)は、『VHF無線機を操作する者は、その居住国の無線操作従事者免許を持っていなければならない』と規定しています。
しかしながら、米国では、このプレジャーボート用VHF無線の使用サーテフィケートは廃止にいたっています。(カナダとヨーロッパの多くの国では、まだサーテフィケート制度は存続)
現実の姿として、例えば、世界各地のチャーター会社では、どの国のものでも、操作サーテフィケートを持っていれば、それでOKということが多いようです。カナダにおける、オペレーターサー・テフィケート取得システムVHFオペレーターサーテフィケートを、広く普及させることを主たる目的として、カナダでは、昔からサーテフィケート取得プロセスの合理化がすすめられてきました。現在は、民間団体であるCanadian Power & Sail Squadrons にトレーニングシステム・サーテフィケート発行を委託しています。(同団体が、カナダ各地の民間人にExaminer (試験官)を委託し、その試験官がサーテフィケート取得コースを随時運営、安価かつ便利にサーテフィケートを取得できるようになっています)当スクールのインストラクターもその試験官の一人であり、その資格でサーテフィケート取得コースを開催しています。例えば、1週間のクルーズトレーニングコースに先立ち、受講希望者に教材を郵送しておき、トレーニングクルーズの終了までに講義試験を行い、クルーズ終了時にはサーテフィケートが取得できるようになっています。(ウィンドバレーセーリングスクールにて、取得可能)