About ISPA
1993年、カナダにおいて設立されたボートトレーニング本部を置き、セーリングとパワーボートにおけるインターナショナル・サーティフィケートの発行、トレーニングシステムの開発、運用、ならびにインストラクターの管理を行っています。
ISPAサテフィケートは世界各地のチャーター会社で技術証明の役割を果たしているとともに、一部の国のナショナルライセンスとしても認証されています(詳細はispa.com)
ISPAの歴史
英国のRYA、アメリカのASA、カナダのCYAなどの従来のプログラムを再検討し、問題点を改善、現代における新技術をアップデートする組織として、1994年に、カナダで設立されました。
国際プログラムによるトレーニングシステムを持ち、終了者にはインターナショナル・サーティフィケートが発行され、世界各国において船を借りる場合の技術証明の役割を果たしています(チャーター可否の判断はチャーター会社となります)。
※ ISPAシステム は、カナダ運輸省、カナダコーストガードから良質なトレーニングシステムとして公式に認められているとともに、ISPA ディスキッパーサテフィケートはカナダ、クロアチア、バハマ諸島、クィーンズランド州(オーストラリア)でナショナルライセンスの代替ライセンスとしてそれぞれの国の政府に認められています。
ISPA サテフィケートカード、ログブック
ISPA が発行する技術証明カード・登録申請が必要です
本人ID写真入りの技術証明カードの発行を行っております。 コース終了後にオンラインによるサテフィケート認証登録申請をしてください。
正式な技術証明は、ISPAが発行し、担当ISPA公認インストラクターの終了エンボスが捺されたログブックになります。
ISPAサテフィケート 一覧
コンピテントクルー (Competent Crew)
デイスキッパー (Day Skipper)
コスタルスキッパー (Coastal Skipper)
コスタルナビゲーション (Coastal Navigation)
オフショア・マスター ( Offshore Master)
オーシャン・マスター (Ocean Master / Sail only)
ISPA公認インストラクター資格 (ISPA Instructor)
・Tall Ship (帆船)Novice Crew / Competent Crew
ISPA Certification 詳細
❏ ISPA ログブックとサテフィケートの認証プロセス
ISPAログブックはサテフィケートの認証基礎文書です。ログブックででの認証をISPA本部が確認、登録のうえカード発行を行いますが、登録とカード発行プロセスを完了しなければ正式認証を受けたことにはなりません。
コース終了後、インストラクターがログブックに認証刻印を押し、本部登録について説明しますので必ず登録を行ってください(認証・カード発行費用は教材費用に含まれています)。
▼ ISPA Competent Crew; クルーとしての知識と技術。
● 服装、ヘビーウエザーギアと標準装備、最低限の安全装備類
● セールボート各部名称、コックピット&キャンパス、リギン、クリート、ブロック等使い方
● ウィンチの安全な使い方
● 基本的なメインセール&メインシートシステム、トッピングリフト
● ベンドオン(出航準備)
● メインセールを上げる手順、リーフィングと解除、収納、ハリヤードシステム
● フォア(ジブ)セール手順と仕組み
● ポイントオブセーリング(風と船との関係)、セールトリムの基本
● セーリング・バイ・ザ・リー、アクシデンタルジャイビングについて
● 安全なエリアと危険なエリア、ジャックラインとハーネス、リスクマネージメント、
● ライフジャケット、PDF、冷たい水での落水サバイバル、ハイポセラミア(低体温症)
● MOB(落水者救出法)クルーの役割、対処法
● MOB・ウィリアムソンターン、MOBアンダーソンターン、MOBの引き上げ方
● 遭難信号、フレアーの使い方、イーパブ、ナビーゲーションライト
● プロパン、バッテリー、エンジンシステム、マリンヘッド、ギャレーの使い方
● 国際VHF交信、国際航行ルール
● アンカリングにおけるクルーの役割
● ドッキングにおけるクルーの役割
【サーティフィケートが証明すること】
クルーの一員として活動するために十分な知識、技術が備わっていること。
緊急時には、スキッパーの代替が可能であることを証明する。
▼ ISPA Day Skipper; 日中の好天のみスキッパーとして船を出すことができる技術。(限定スキッパー)
● デイスキッパーとしての一日の航行プランの立て方、パイロッティング、ブリーフィングの仕方
● セーリング全般、ポイントオブセーリング(風との関係)
● セールトリム(セールのコントロール)、リーフィング
● ドッキング全般、
● ワンラインドッキング(船を一本のもやいで安定させて、ドッキング、ドックアウトさせる方法)
● 潮、風、天候、さまざまな状況下でのドッキング技術、プロップウオークの理解
● アンカリング全般、アンカリング手順、海図、地形の見方、良好なアンカリング場所の選び方
● 海底の質、地形、潮汐、潮流、風、様々な状況下での、様々なアンカリング法
● 国際航行ルール、ブイ、デイビーコン、カーデナルシステム、フォグシグナル、ラテラルシステム
● 国際海上衝突予防法、コリジョンベアリング、視界不良時、狭い水路、追い越し
● 潮汐計算の基本
● 気象の基本、気象情報の取り方
● MOB全般 クイックストップ・クイックリターン法、緊急対処法
【サーティフィケートが証明すること】
沿岸10マイル以内、日中の良好な天候のみ限定。
クルーと船の安全に責任を持つことできるスキッパーとして、十分な知識と技術を有することを証明する。
▼ ISPA Coastal Navigator; 海図の読み方、国際航行ルールの習得。
● 海図の読み方全般 ハンドベアリング及びプロトラクターの使い方
● 航行プランニング ブリーフィング方法
● 国際航行ルー全般、衝突回避法、ナイト航行におけるルール
● 暗礁危険域の回避方法、各浮標、灯台が記す意味の読み取り
● 潮汐表の計算
● 海流表の読み取り
● 沿岸部の地形と気象の関係
【サーティフィケートが証明すること】
安全な港湾から25マイル以内限定。
チャート、ハンドベアリングコンパス・GPS、及びナビゲーション関連情報類を使用して、安全な航行のためのナビゲーション知識・技術を有し、海図を見ながら沿岸部の航行ができることを証明する。
※セール・パワー共通
▼ ISPA Coastal Skipper; 泊りがけの航行を行うためのスキッパー技術
● 中級セーリング技術 (クローズホールド、ジャイビング等の確実な習得)
● 中級ドッキング技術 (ループを使ったワンラインドッキング、ドッグアウト など)
● 安眠できる様々なアンカリング技術 (バハミアン、ダブル、スターンラインなど)
● ナビゲーション全般 ナイト航行の仕方、ナイト航行ルール
● MOB(落水者救出法)全般
● エンジン、電気、ガス、各種緊急処置など
【サーティフィケートが証明すること】
安全な港湾から50マイル以内の海域を、昼夜を問わず、スキッパー、兼ナビゲーターとして、船とクルーの安全に責任を持ち、良好な天候の下に航行するための知識と技術を有することを証明する。
※コスタルスキッパーサーティフィケートは、世界中のチャーター会社で技術証明の役割を果たしています(最終的にベアボートチャーターが可能か否かはチャーター会社の判断となります)。
▼ ISPA Instructor Certificate; ISPA公認インストラクターの技術の習得と資格
インストラクターとしての理論講習、実践トレーニング。
以下の試験があります。
① 理論講習試験
② 実践講習試験
③ 国際海上衝突予防法筆記試験
④ シングルハンド操船試験
【サーティフィケートが証明すること】
教える立場、ISPAに基づく指導者となるための知識と技術を有することを証明する。
ISPA傘下において、国際サティフィケートを発行できる独立スクールの運営が可能になります。
▼ ISPA Offshore Master; 昼夜、荒天問を問わないオフショアスキッパーとして必要な知識と技術
● さまざまな状況下でのセーリング、ドッキング、アンカリング
● ナイトセーリング、ナイトナビゲーション、レーダー、デジタルナビゲーション
● 視界不良時トレーニング
● ヘビーウエザートレーニング
● エンジン、電気系統、メンテナンス、応急処置法
● 荒天時を想定したMOB
● エンジン停止時を想定したセーリングだけで行うドッキング、アンカリング、対処法
【サーティフィケートが証明すること】
沿岸150マイル以内。
昼夜、荒天問わず、あらゆる天候状況のなかで船とクルーの安全に責任を持つスキッパー・ナビゲーターとして沿岸航行ができる知識と技術を有することを証明する。
▼ ISPA Ocean Master; 海域の制限なく、昼夜、荒天を問わない外洋上級スキッパー技術
● 全てにおける状況下での航行に対する更なる高度な技術の取得を目指します。
【サーティフィケートが証明すること】
海域の制限なし。
昼夜、荒天問わず、あらゆる天候状況のなかで、船とクルーの安全に責任を持つスキッパー・ナビゲーターとして外洋航行ができる知識と技術を有することを証明する。
※セール・パワー共通
▼ 関連必須ライセンス・VHF Marine Radio Operator (Canada); 天文航法のできる外洋スキッパー技術
ISPA トレーニングシステムの特色
① オンライントレーニング
インターネットに代表されるように、通信と映像技術が進歩した現代にあわせ、ISPAはトレーニングシステムを A)オンラインによる事前学習、 B) インストラクターによる水上実践学習に二分、受講者にもインストラクターにも貴重な時間を有効に使えるようにデザインされています。
② シングルライン ドッキングの習得
シングルライン(一本の舫い)だけで船を安定させ、シングルハンドでも効率的かつ安全にドッキング、ドックアウトができる方法です。
※シングルラインドッキングを教えているのは、ISPAのみです。
もとは北欧荒海に出る猟師たちが創り出した方法と言われています。他のスクール、RYA、ASAなどでも教えることがなかったこの技術を、ISPA創設者である元イギリス軍、陸海空特殊部隊SASの教官ケビン・ウィリアムスによって新たにISPAに取り入れられました。
ISPAでは、基本的にヘルムズマンとクルーの二人で行う方法を身につけます。上級者はシングルハンドで行う方法、他、ワンラインによる応用ドッキングを身につけます。
③ さまざまな状況下でのアンカリングの習得
風、潮、地形により難しいアンカリングを、さまざまな状況下で練習し、合理的に行えるようトレーニングします。
バアミアン、ダブルアンカー、十字アンカー、スターンラインを取る方法など。
(クルージングの醍醐味、素晴らしい入り江でのんびり、かつ、安全に過ごすことができるようになります。)
④ クイックストップ&リターンMOB(落水者救出法)の習得
従来のフィギュアエイト『8の字救出法』は、8の字を描いているうちに落水者との距離が開いてしまい、落水者を見失ってしまうという欠点があります。
フィギュアエイトも有効な方法ですが、なるべく落水者に離れず、落水者の周りを回ることを第一としたクイックストップ&リターン救出法をISPAでは推薦、トレーニングしています。
⑤ 安全なジャイビングの習得
事故が起こりやすいジャイビングを、もっとも安全に行う方法を身につけます。また、ISPAが推奨するMOBクイックストップ&リターン救出法は、ジャイビングを伴いますので、しっかりと身につけましょう。
⑥ シンプルで使いやすいプロトラクターによるナビゲーションの習得
パラレル・ルーラーや三角定規は、もはや古いやり方です。海図上の緯度経度線を使って、ピンポイントでナビゲーションを行う近代の方法です。
※プロッターの使い方をスタンダードとして教えているのは、ISPAのみです。
ISPA 創立者:Kevin Wilson ケビン ウィルソン
ISPA創設者 元ISPA-Canada理事長
イギリス生まれ。 イギリス軍特殊部隊SASに所属、特殊技能教官を務めた後、カナダ・バンクーバーに移住。幼少時からヨットに触れ合い、RYA (Royal Yachting Association)、CYA (Canadian Yachting Association) インストラクター、CYAの理事を務める。
CYA理事在任中に、RYA、CYA、ASAなどの既存団体の腐敗と、時代と共に進化する技術更新の遅延に疑問を感じ、組織改革を試みるが断念、伝統だけに縛られた古い体制から脱した、世界で最も新しい技術を有するトーレーニングプログラムと、教科書の開発を試み、新しい国際団体として、ISPAを創立。
RYA、ASA、CYAなどのスクールでも教えていなかった、ワンラインドッキング法を取り入れ、その技術普及に努める。
* 現在のISPA代表(CEO)は当スクール校長、Robert Sendoh、ISPA設立直後からKevin Wilsonとともに活動を続けてきた。